会社を辞めて無職に…いま住んでいる物件の賃貸契約の更新はできる?

会社を辞めて無職に…いま住んでいる物件の賃貸契約の更新はできる?

いままで勤めていた会社を辞めて無職に。

タイミング悪く、住んでいるアパートの「契約更新」の通知が来てしまった…。

  • 「え?もしかして更新できないかも?」
  • 「勤務先欄になんて書けばいいの?」
  • 「前回同様にして、会社を辞めてないことにしちゃおうか?」

なんて不安な方もいると思います。

でも、安心してください。

新規入居であれば難しい問題ですが、更新に関しては無職だからと追い出されることはありません。

ただ、無職になったことによって家賃を滞納しているとかでなければの話。

基本的には無職になったからといっても、継続して家賃さえ払っていれば、更新を拒否できる訳ではありません。

もし無職になってしまった時は「心機一転、引越しでもするか!」などとは考えず、更新をした方が無難です。

それは、無職の状態で新しい物件に引越しをするのは至難の業だからです。

また、契約書に「変更があれば届出するべき内容」として記載があれば、変更届はしておく必要はあります。

以下、その法律的な見解を示しておきますので参考にしてみて下さい。

普通借家契約について知っておこう

普通借家契約とは、一般の不動産賃貸契約にあたるものです。

この場合、入居者が無職であってもそれを根拠に賃貸契約の更新拒否はできないようになっています。

更新を拒否できるのは、入居者が家賃を何ヶ月も滞納しているなどの信用がなくなったとされる場合に限られます。

ましてや、強制退去などは居住権や人権侵害にもあたることですので全くありえません。

ただ、どうしても要注意人物としてチェックはされることになるのは、しょうがないところではあります。

ここで、余計な心配をして更新書類の職業欄に前の会社名を引き続いて記入したりすると、発覚した時の心証は悪くなるだけです。

「嘘をつく=信用を失う」ということを肝に銘じておきましょう。

また、基本的にはありませんが、不審な点があれば勤務先に在籍確認をすることだってありうるのです。

借主は法定更新に護られている

借主は法定更新に護られている

契約期間は、一般的に2年間くらいのものが普通です。

その後も契約し続ける場合は更新扱いになるのですが、実はその手続きを行わなくても更新されます。

これが法定更新と呼ばれるもので、法律により自動更新されるということになります。

法定更新は、不当に借主を強制退去させたりしないための措置。

つまり弱い立場である借主を護るための法律です。

例えば、入居者が無職になったからといって大家さんが更新を拒否したとしても、賃貸契約は法定更新されます。

法定更新をストップさせるためには、それなりの正当事由というものが求められます。

借地借家法第26条第1項では、たとえ正当事由があっても、賃貸人(大家さん)が更新を拒否するには、契約終了の1年前から6ヶ月前までの間に更新拒否の通知をしなければならないと定められているのです。

それなので、この通知がなければ退去をしなくても良いということになります。

更新拒否の正当な事由に関しても、物件の維持のためにやむを得ないと客観的に認められるような、よほどの状況が揃わないと難しいものになっています。

このように、入居者は基本的に法律で保護されていますので、無職なのは正当事由になりませんし、大家さんの都合だけでは認められません。

たとえ立退き料をいくら積み上げたとしても、正当事由のないことには更新させない訳にはいかないのです。

更新料は払うべき?

法定更新があるなら「更新料を払わなくていいのか」「更新手続きをしなくていいのか」というとこれは賛否あります。

中には借主が法定更新の特権を逆手にとって、更新料を払わないという人も出て来ているようです。

しかし、それはおすすめできません。

大家さんや管理会社との関係が悪くなるばかりか、裁判沙汰になることもありえるのです。

過去の判例では「更新料の徴収」は認められていますので、結果的に請求されることになりかねません。

何だか矛盾しているようにも思えますが、法定更新はあくまでも弱い立場の借主を護るものであり、更新料を払わなくて良いものではないようです。

法定更新は法的に効力のあるものですが、契約書にもまた契約自由の原則があり、そこに更新料発生の件が記されていれば、それにも効力があるはずです。

このあたりの論争はいまだ続いていますので、今後の動向によって何かしらの変化があるかもしれません。

しかし、それこそ更新料のためにいちいち裁判を起こしていたら、結果的に自分が時間も労力もお金も損をしてしまいますし、不動産業界からの信用も失います。

定期借家契約について

定期借家契約について

不動産賃貸契約には、定期借家契約という契約方法もあります。

この場合は、更新という概念自体が存在しないので、法定更新の対象にもなりません。

基本的に契約期間が終わったら退去することになります。

例外的に引き続き契約を延長することもできるようですが、その場合も再契約をすることになります。

再び入居審査の対象にもなりますので、その時点で無職であれば契約は難しくなります。

この場合、大家さんは無職を理由にして再契約を結ばないということが可能になり、貸す側には都合の良い賃貸スタイルになっています。

ですから、曖昧な更新をされて不安定な状態の入居者を増やしたくない大家さんには好まれています。

賃貸トラブルに巻き込まれないための予防策としても、最近注目されるようになってきています。

入居する側としては基本的に更新できないのが前提であるため、期間限定での賃貸を希望する人向けになります。

まとめ

「一寸先は闇」ではありませんが、人間まともに働いていてもいつどうなるかは分かりません。

会社の都合や自身の体調不良、その他取り巻く環境の変化によっては無職になることを余儀なくされることもあるものです。

賃貸物件に居住している場合、「無職になってしまったら…」とまでは考えてもいないのが普通だと思います。

でも、大丈夫。

普通の賃貸契約であれば、更新前に無職になったくらいでどうということもないのです。

必要もないのに焦って、勤務先が以前のままであるかのような虚偽の文書等を作成してはいけません。

それこそ、重大な信用失墜行為として退去事由にもなりかねません。

堂々と「求職中」もしくは「無職」と書いておけば問題ないと思います。

それでも大家さんからしてみれば、少なからず家賃滞納のリスクを抱えることになります。

また、法定更新を悪用しようとする人が出て来ているため、賃貸経営上の厄介な存在に思える貸主がいることも忘れてはいけません。

無職なら無職なりに大家さんに信頼を維持してもらうように、毎月の家賃は滞納しないでしっかりと支払い、就職先を探すとか保証人を付けるなどの行動には努めるようにしておきましょう。

また、定期借家契約という契約方法を導入して、経営を安定させようとする大家さんも増えつつあります。

これから新たに賃貸物件に入居しようとするなら、契約方法がどうなっているかチェックしておきましょう。

物件探しの常識を覆すお部屋探されサイト。待ち時間なし。

アパートやマンションの賃貸契約はフリーターや無職だと入居審査が通らない?

賃貸の更新料って必要?東京ルールについて



  • このエントリーをはてなブックマークに追加